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2007年06月20日

猫パルボの脅威

今回はこの記事を書くのを悩みましたが、やはり書くことにしました。

支部長さん宅で保護されている仔猫がまた亡くなりました。
以前ブログで「コクシジウム」という寄生虫が原因らしいと何回か書きましたが、猫パルボが原因でした。

猫パルボ、猫汎白血球減少症という名の伝染病です。以前のブログでも少し触れましたが、とても恐ろしい病気です。感染力も強く、致死率も高い。非常に強い菌で、きちんと消毒してないとウィルスは1年でも生き続けるという話です。詳しくはこちら

感染した猫はウィルスを放出するので、感染猫が使っているものは出来る限り焼却処分したほうがよく、出来ない場合は塩素系漂白剤で消毒をする必要があるそうです。感染猫の便や嘔吐物との接触等で感染するそうですが、人間の体に付着したウィルスに感染することもあります。完全室内飼いでも、油断は出来ないのです。

ワクチンを接種していれば防げますが、ワクチン未接種の仔猫や老猫はひとたまりもありません。調べたところ、ワクチン未接種の仔猫の致死率は90%だとか。数日の潜伏期間の後、発症するとたった1日で死に至ることもあります。

支部長さん宅の仔猫たちのおそらくほぼ全員がパルボに感染したのでしょう。支部長さんが一生懸命ミルクをあげていた子たちも、里親会で保護された子も、数匹を残してみんな助かりませんでした。残っている子達も重篤な状態の子もいます。

パルボの怖さは、ボランティア先でよく耳にしましたが、今回とても思い知らされました。たった数日で、あんなに沢山いた仔猫が10匹以上亡くなってしまったんです。

ミルク飲み猫たちはまだ小さくてワクチンが打てない。親からの免疫に頼るしかないけど、人工哺乳だから免疫力も低いはずです。大きめの子はワクチンを打ちましたが、ワクチンで免疫が形成されるまで間に合わなかったようです。獣医さんの話だと、遺棄されていたような仔犬・仔猫は、状態が良いのであれば親の免疫に関係なく、早期にワクチン接種を優先すべきだとのことです。

今回の件、最初の感染猫から感染を拡大させなければ助かった子もいたかもしれません。でも、支部長さん一人で面倒を見るにはあまりに保護犬・保護猫の数が多すぎます。人の手も場所も圧倒的に限界を超えているんです。隔離するにしても結局は同じ屋根の下で世話する人は同じ人。完璧に隔離するのはきっと難しいでしょう。そして保護要請は後を絶たない…。

なぜ限界を超えて引き受けるんだと、言う方もいるかもしれません。でも、じゃ、誰が他にやってくれるんでしょう?私もボランティアとしてお手伝いはしています。でも一時預かりは出来ません。世の中には一時預かりの出来るような人は少ないのです。だから支部長さんは限界を感じているとしても引き受けるしかないのです。そこで手を差し延べなければ、救えない命かもしれない。

お金が有り余っていれば、世話をする人をバイトで雇えるかもしれません。でも小さなボランティア団体にそんなお金はありません。沢山の治療費や餌代、トイレ代、自腹でやってるところばかりだと思います。

次々に来る保護要請も、「うちで保護できないからなんとかして欲しい」ということが多いのです。簡単に言うけど、実際はこんなに大変な状況なのです。だから、ほんの1〜2ヶ月だけなんとか面倒を見てもらえるなら見て欲しい。きっとその方が1人が面倒を見る頭数も少なく、1匹1匹に目が行き届きます。スペース的にも余裕ができます。

そして、里親会会場に猫を捨てて行った人をはじめ、猫を捨てる人も、捨てるのではなく、自分で里親探しをしてほしい。母猫のそばにいれば、人間が大変な思いをしてミルクをあげたりトイレをさせたりする必要はないんです。母乳を飲んでれば免疫もつきます。そしてもらってもらえる大きさになったら里親さんを探せばいいんです。里親探しの協力はいくらでもします。

私は今回の件で支部長さんを責める気にはなれません。大変な思いでお世話をしてくださっている方です。今回一番心を痛めているのは支部長さんです。私は蚊帳の外から見ているだけ。とても責められる立場ではありません。安易に繁殖させる人がいなければ、安易に捨てる人がいなければ、こんなことも起きないはずです。

仔猫たちのお世話をしてくださっていた支部長さんの気持ちを考えると、ブログの記事にしていいのか悩みました。でも、猫パルボの恐ろしさを、ワクチンを打っていないことの怖さを、ボランティアの現状を、沢山の人に知ってもらいたいと思い、記事にすることにしました。でも支部長さんには辛い思いをさせてしまうかもしれませんね…。ごめんなさい…。

そして、亡くなった仔猫たち…助けてあげられなくてごめんなさい…。

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ニックネーム Chirota at 01:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 保護日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Chirotaさん

支部長さんからメールをいただきました。
私がブログに書いた『助ける子と助けない子のボーダーラインなんて・・・』と言う記事に対してコメントをいただいたものです。

実は私自身10年前に同じ体験をしました。
保護した子猫からパルボが蔓延し、沢山の子を見送ることになりました。今回の件は私にとって人事ではないのです。

一時預かりさん、見つけるの大変です。ただ、考えて欲しいのです。出来ない理由は何?解決方法はない?だめだと思い込んでない?

確かにいろいろな事情から預かりたくても預かれないと言う人も沢山いると思います。でもワンコやニャンコを助けたいと思う気持ちは支部長さんと同じはず。そういった方たち、じゃあ私に出来ることは何?と自分自身に問いかけて欲しいのです。少しの時間でもミルクをあげに行く、ミルクを持ってゆく、医療費の足しにと寄付をするetc・・。今何が必要なのかを考えればおのずと答えも見えてくると思うのです。

みんなが自分に出来ることを責任を持って(ここ大事です!)する。それで沢山の子の命が救われると思うのです。どうでしょうか??
Posted by cat at 2007年06月22日 16:32
catさん、ありがとうございます。
以前問い合わせや掲示板の記事やから、ボランティア団体について誤った印象があるということを知りました。どういうことかというと、ボランティアは資金もあって、スタッフもいて…というような。

もし皆さんそう思ってる方が多いのだとしたら「自分のところは無理だから団体に任せよう」と思ってしまうのも無理はないのかもしれません。確かにそんな団体もあるかもしれません。でもそんな所ばかりでなく、「団体」とは名ばかりで、実態は個人が全てを犠牲にしてお世話をし、里親を探しているという事を、多くの人に理解してもらいたかったんです。

支部長さんのようにお世話をすることは誰でも出来ることではありません。私も無理です。出来なかったら出来る人に任せればいいのか。そうしたら支部長さんのような人が負担が増えるだけです。じゃどうすればいいかと考えると、やはり頭数に頼るしかないですよね。だからcatさんの仰る通り、保護を要請する人には、丸投げするのではなく、ほんの少しでも自分に出来ることを手伝って欲しい。今いるスタッフが出来ることは里親会会場での手伝いだけです。だから、あとはお世話のお手伝いが出来る人。ずっとやれなんて言いません。その子の里親が決まるまで、ほんの1〜2ヶ月でいいんです。でも、それが億劫で「だったら処分する」と簡単に言ってしまう人がいるのも事実です。

でもそれは保護した人がいる場合。捨てられてた子を直接保護したらそんな人もいません。やはり一時預かりさんを開拓することも必要となってきているのかなーと感じています。
Posted by Chirota at 2007年06月23日 04:27
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